高松高等裁判所 昭和24年(控)1587号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
公務執行妨害罪における暴行又は脅迫はその直接たると間接たるとは問わないが、いずれも公務員に対するもの即ち公務員を客体とするものでなければならない」こと所論の通りである。原判決摘録の証拠によれば被告人が右差押え物を破碎した当時の状況は、収税官吏等が判示差押えのかめ三個及びビン二本を路傍に置き、これらを積んで持ち帰るためその場所より約二十メートル離れた見通しのきく箇所で、小型自動車の方向転換をしていた際、立腹した被告人は突然其処に収税官吏がいることを認めながら、まさかりを振つて「コンチクシヨー」と言いながら、これらのかめ及びビンを打ち碎いて、その内容の焼酎を流失せしめたもので、右収税官吏等はこれを目撃しながらもその現場より離れていて突嗟の出来ごとであつたため、それを制止することができなかつたのである。右の状況の下においては被告人の判示物件破碎行為は右収税官吏に対する暴行と認むべきであるからこれに対し原判決が刑法第九十五条を適用したのは相当である。